大阪のインバウンドによる活性化はいつまで続くのか
近年、「インバウンド」という言葉を良く耳にするようになり、大阪市内の街中も多くの外国人観光客で賑わっています。そこで今回は、なぜ大阪でインバウンドの活性化が起こっているのか!?そしてそれはいつまで続くのかについてお話していきたいと思います。
大阪の外国人観光客数の増加
日本を訪れる外国人観光客数は年々増加しています。その中でも、大阪の観光地としての人気が上昇しており、環境庁の調べによると2019年1月~3月の都道府県別訪問率は大阪が38.2%と、最もポイントが高くなっています。数年前までは、外国人観光客からの人気の観光地といえば、東京・京都・北海道・沖縄がメインとされていましたが、今では約4割が大阪に訪れているということになります。
さらに米マスターカードの調べによると、2009年から2016年にかけての海外旅行者数の年平均増加率が24.0%と大阪が世界で最も成長率が高かった都市だと発表されました。
何故大阪がここまで人気の観光都市となったのか?
大阪への訪日外国人が増加した理由はいくつか考えられます。
関西国際空港のLCC(格安航空会社)の増加
関西国際空港はLCCの就航都市数が日本一であり、これが外国人観光客獲得の大きな強みとなっています。特に大阪に訪れる観光客の大部分を占めるアジア圏とのアクセスを高める為、中国・韓国・台湾などには複数の空港に対応するなどしてより利便性を高めています。
京都や奈良へのアクセスが良い
大阪は、奈良や京都といった世界遺産が多くある観光地に隣接しているうえに、交通の便も良いので関西のどこへでも行きやすいです。その為関西を観光する拠点として、宿泊施設や飲食店も充実している大阪が選ばれやすいのです。
無料Wi-Fi、多言語表示の充実
大阪府と大阪市が一体となって運営している大阪観光局は、訪日外国人が過ごしやすい環境作りに数年前から取り組んでいます。その一環として、インターネットの接続環境を整備することで観光客に快適に過ごしてもらえるよう、市内や人気スポット、電車等の無料Wi-Fiスポットを増設しています。
また、標識や案内板だけでなく人気観光地のWEBサイトも多言語化させ、日本を訪れる前に情報に触れ観光ルートに取り込んでもらえるようにしています。さらに、薬局・ドラッグストアでは外国人対応マニュアルを作成し、外国語対応にも取り組んでいます。
訪日外国人向けの夜間に楽しめるアクティビティの充実
大阪は、東京と比べると夜間に楽しめるアクティビティが少ないため、大阪を訪れた外国人観光客の多くは、夕食後何もせずに宿泊施設にもどる傾向にありました。そこで大阪観光局では21時~0時までのインバウンド向けのお得なサービス、メニューを提供する参加店を募り、訪日外国人に向けてサービス券を配布したり告知をするなどしています。
これらのように、アクセスの良さや大阪府・市が一体となり取り組んできたことが実を結び、外国人観光客を獲得しインバウンド消費を増加させているのです。
ではこの活性化はいつまで続くのでしょうか?
訪日外国人を国籍別にみると、中国・韓国・台湾・香港・タイ・マレーシアといった、一人当たりGDPが高い国でほとんどを占めます。
世界的にみても海外旅行者数が増えてきている今、経済成長に伴い益々アジア諸国の海外旅行ニーズが高まることが予想されます。
また、2020年に東京オリンピックが開催されますが、
関西でも
・2019年ラグビーW杯
・2021年ワールドマスターズゲームズ
・2024年IR構想
・2025年大阪万博
と国際的なイベントが続きます。
これにより、大規模な再開発事業や交通インフラの整備が進み、都市としての魅力も一層高まることが期待されています。このようなビッグイベントが継続的に行われることは、大阪府・市にとってインバウンドに取り組むうえで大きなモチベーションになるでしょう。
これらのことから、大阪のインバウンドによる活性化はしばらく続くと考えられます。
まとめ
大阪はインバウンド消費を取り込むために府や市が一体となって積極的に対策を行なっており、更に今後国際的なイベントが継続的に控えていて都市としての魅力も高まると考えられます。
したがって、今後の大阪の傾向としては、インバウンド効果で不動産価値も同時に引き上げられる事が予想されています。まだまだたくさんのイベントを控えている大阪には大きな可能性を秘めていると言って良いでしょう。日頃から様々な情報に敏感になり、トレンドを把握し、タイミングを逃さないようにしていきましょう。