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コラム

レオパレス21 違法建築問題のその後

レオパレス21の違法建築

レオパレスの施工不良は、2017年の『サブリース契約』のトラブルに関する報道をきっかけにその翌年の5月に報道番組による独自の調査で発覚し、同社に所属している建築士の数人が建築士法に基づき行政処分を下されるなど大きな問題となりました。

レオパレスが設計・施工したアパートの施工不良は、屋根裏にあるべき界壁が設置されていなかったことや、2種のボードを重ねるべき天井に一枚のボードのみが設置されている不備のほか、外壁に耐火性能が確認できない資材を使うなど、どれも耐火性能や遮音性に問題がある物件が全体の70%(約1.5万棟)にも上るというもので、建築基準法違反に繋がるとても深刻な問題です。

 

根本的な原因は?

第三者委員会は、本件が生じた根本的な原因を3つ挙げています。

一つ目の原因は、設計図通りの施工や法令遵守よりも、経営危機からの脱却や事業の拡大を優先した点です。バブル崩壊後の不動産不況の影響により、経営状況が苦境に立たされていたことが背景にあります。

二つ目の原因は、経営陣の意向を絶対とするワンマン体制に陥っていた点です。同社は創業者である深山氏のリーダーシップやアイデアにより成長したという側面が強く、周囲の役職員が深山氏に進言しにくい状況だった点が根本的な要因だと考えられます。

三つ目の原因は、法令遵守の意識やリスク感度、品質問題に対する当事者意識が欠如していた点です。第三者委員会の調査書では、深山氏が法令遵守を軽視するイメージが定着しており、従業員が法令を軽視する際の正当化の要因になっていたことが指摘されています。

 

違法建築問題のその後

施工不良の発覚後は、新たな経営陣のもと事業再建を急ぐとともに2020年12月までに改修すると発表していました。しかし、補修完了は約1割(1000棟未満)にしか進まず、2020年5月に改修自体が休止になっています。800億円を超える巨額の赤字で2期連続の赤字が確定し、新たな経営課題が浮き彫りとなっています。

賃貸事業の面でも悪いイメージがついてしまったのか、施工不良の改修および募集再開により入居率が20年1月末には採算ライン80%台に到達したものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響により法人契約のキャンセルが顕著となり同年5月には再び入居率が70%台へ落ち込みました。

ホテルや自社保有のマンションの売却、更には1,000人規模のリストラなどの対策を打ち出し、米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループから支援を受けたことにより債務超過は一旦解消し危機を乗り切ったものの、株価の動向や融資条件などを鑑みると、レオパレス21の今後は必ずしも安泰とは言えないでしょう。

 

まとめ

レオパレス21の施工不良が世に与えた影響は大きく看過できるものではありません。

オーナーとなったお客様や部屋の利用者である入居者様は本当にこの改善が進まない状況に失意であると思います。利益を優先することで違法物件を作り、対応もできないままの状況で上場し続けられていること自体が不思議なくらいです。間違っていると分かっていても声に出して言えない会社の環境・体質そのものを改善することが、不動産業界だけでなく全ての会社にとって改めて考えなければいけない課題ではないでしょうか。

 

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