無くならない不正融資疑惑?
2018年に起こった「かぼちゃの馬車問題」に端を発した「スルガショック」は、不動産投資業界を震撼させました。多くの不動産投資家が疑心暗鬼になり、ニュースでもたびたび取り上げられた事件であったことは記憶に新しいところでしょう。
しかし、その後も不正融資疑惑は起こってしまっています。
今回は、住宅ローン仲介大手のアルヒと新生銀行系の信販会社アプラスの問題をご紹介します。
この問題は、不動産自体と住宅ローン融資を斡旋する会社アルヒが提供する「アプラス投資用マンションローン」において、様々な不正が組み合わされ投資家に大きな不利益を与えていた疑惑です。
「アプラス投資用マンションローン」は、アルヒが融資の窓口となって書類の取り次ぎなどを行い、実際の審査や融資はアプラスが行うパッケージ商品です。
この商品は、他の不動産会社でも利用することができ、融資金利が高い代わりに、審査が優しいという特徴以外は特に他の不動産融資と本来かわりはありません。
では、この商品を使って具体的にどのような不正が行われていたのでしょうか?
第一の問題は、販売業者が周辺価格の2倍程度に物件価格を水増しし販売していた点です。
さらにその価格に対してアルヒのFC店社員が源泉徴収票や課税証明書などの審査書類の改ざんを指示したり、アプラスに融資を取り次いだりしたのです。
立派な犯罪ですよね。
これだけであれば、アルヒ側の不正行為なのですが、、、
第二の問題は、融資を審査、実行するアプラス側においても、融資条件の説明や意思確認などを物件購入者に対して行わないまま、水増しされた物件価格に対して満額融資を行っていました。
アプラスは金融機関ですから、不動産投資に関して、ましては周辺価格の2倍にもなる融資に対してのリスクを説明すべきです。ただこの問題に関しては「企業としての対応の問題」で、解決する話だと思います。
しかし、アルヒが取り次いだ書類をもとに、審査を行った物件価格が限度を超えて、金融機関としてその一部しか融資できないと判断された場合にアプラス側にも不可解なてんがでてきます。
アプラスには「アルヒ提携型サポートクレジット」という審査対象となる物件の担保評価額が物件価格に届かなかった場合に、差額を追加で借り入れる目的の商品が存在します。
通常の融資契約の場合、まず物件の購入希望者が本体ローンを申し込み、その後担保評価が行われます。その評価が物件価格を下回った時に、別の物件に変更するか、差額を自己資金で補填するか、前出のサポートクレジットにするか、を選択してもらいます。
今回の問題で書類が改ざんされていた複数の物件購入者は、最初の申込の段階で、本体ローンだけでなくサポートクレジットの契約を合わせて結んでいたことがわかっています。
アプラス側は、「本体ローンと同時にサポートクレジットを締結することはない」と主張していますが、マンション販売業者の関係者によると、「同時に契約するが通例だった」と打ち明けています。
よって、担保評価が満たない物件でも、満額融資を前提にローンが提案され、そして実行されていた可能性があります。
さらに、サポートクレジットは無担保の為、金利は本体ローンよりも高く、物件所有者からの情報によると、貸し出し金利が5.8%といった情報もあり、投資家に対してリスクの高い商品であったと思われます。
他にも、本来融資をする前にアプラスから融資を受ける本人に、最終意思確認の電話を行いますが、複数の物件所有者は「アプラスから連絡が来た覚えはない」と言います。
憶測ですが、意思が揺らぐお客様に対してアプラス担当者かアルヒが対策をしたのでしょう。
今回の問題では、主に年収200万~300万の若年層が、不正融資の被害に遭っています。
オーナーの多くは実勢価格を大きく上回る金額で物件を購入しており、一部のオーナーは毎月の赤字に耐え切れず自己破産に追い込まれている方もいます。
こういった際に、「投資家の自己責任だ」という指摘があります。
しかし、このような書類の改ざん等の悪質な行為をするプロともいえる業者を相手に、「自己責任」という言葉で片づけてしまうのは酷でしょう。
このような問題に巻き込まれないためにも、投資前に、自分でしっかり下調べを行い、信用に値するパートナーを選ばれることをオススメします。