大阪万博がもたらした影響とその結果
2025年4月から10月にかけて開催された大阪・関西万博は、国内外から多くの来場者を迎え、未来社会の実験場として大きな注目を集めました。テーマを“いのち輝く未来社会のデザイン”とし、半年間にわたるイベントは、地域経済の活性化、都市インフラの整備、国際交流の促進など、さまざまな分野に影響を与えました。万博終了後の今、さまざまな観点からその成果を調べました。
来場者数
2025年に開催された大阪・関西万博は、半年間で総来場者数約2,900万人を記録し、国内外からの注目を集めました。このうち、一般入場者数は約2,558万人に達し、2005年の愛知万博(約2,205万人)を大きく上回る結果となりました。この圧倒的な人流は、交通機関や宿泊施設、飲食・小売業など、地域経済に広範な波及効果をもたらしました。
特に夢洲へ通じる大阪メトロ中央線は連日混雑し、沿線の商業施設にも活気が戻ったと報告されています。また、来場者数の増加に伴い、万博の収支も黒字ラインを突破したとされ、イベントとしての採算性も高く評価されています。このような結果は、万博が単なる展示会ではなく、都市全体を巻き込んだ経済・文化の起爆剤となったことを示しています。
来場者の声:満足度と体験価値
大阪・関西万博に訪れた人々の約86%が「満足した」と回答し、そのうち半数以上が「とても満足した」と高く評価した声が寄せられました。未来感あふれるパビリオンや五感を刺激する体験型展示が、来場者の期待を超える工夫として随所に感じられました。
実際に人気を集めたのは、日本館や大屋根リングなどの国内パビリオンで、「予想以上に感動した」「壮大で圧倒された」といった声が寄せられました。また、若年層では「SNS映えがしたい」や「限定グッズ・フードを楽しみたかった」という理由で訪れた人も多く、万博を特別なお出かけとして捉える傾向が見られました。
公式キャラクターのミャクミャクも、開催前は賛否両論ありましたが、イベント期間中に販売されたぬいぐるみや雑貨が話題となり、SNSでは「どこで買えるの?」と検索されるほど人気が拡大しました。
文化交流と国際的なつながり
大阪・関西万博には158の国と地域が参加し、会場はまるで地球をひとつに結んだような、多様性に満ちた空間となりました。各国のパビリオンでは文化や技術が紹介され、来場者は世界の広がりとつながりを体感することができました。
たとえば、“世界をつなぐ歌・踊り”と題した交流プログラムでは、各国のアーティストや子どもたちが音楽や舞踊を通じて心を通わせ、言葉を超えた対話が生まれました。
また、大阪と上海の青少年が共同で絵画を展示した“双都市文化交流展”では、未来を描く子どもたちの作品が、国境を越えた友情の象徴として注目を集めました。
こうした取り組みを通じて、万博は異文化理解と国際協力の大切さを伝える場となり、未来社会をともに築くための第一歩を示したと言えるでしょう。
大阪万博と不動産のこれから
公示地価にも変化が表れています。日本の首都である東京は前年比で住宅地が5.7%、商業地が10.4%上昇に対し、大阪は住宅地が5.8%、商業地が11.6%上昇と東京を上回る結果となりました。
しかし、万博の熱気が収まった直後は需要が減少するため、地価の動きは落ち着きを見せると予想されます。過去の愛知万博(2005年)でも、開催中は地価が上昇したものの、終了後には安定した事例があり、今回も同様の動きが予想されます。
一方で、会場となった夢洲周辺では、日本初の統合型リゾートの建設が進められており、未来を見据えた再開発が本格化しています。これに伴い、周辺エリアの地価は上昇傾向にあり、不動産の価値も今後さらに高まっていくことが期待されます。
私たち不動産業界にとっても、万博は単なるイベントの一つではなく、都市の未来を形づくる大きなきっかとなりました。これからの大阪は、国際都市としての魅力をさらに高め、住まいや投資の選択肢としても、ますます注目される存在になるでしょう。

