新しい民泊時代の幕開け
日本に訪れる観光客数が、年々増加している事はご存知ですか?
政府の調べによると、2013年に日本へ訪れた観光客数が1,000万人を超え、2016年には倍以上の2,400万人にも上りました。
こういった背景から、増え続ける観光客数に対して従来の宿泊施設では十分な対応が難しくなってきています。
そのため、旅館やホテルなどの施設の枠組みとは異なり、一般の住居スペースを一定期間宿泊施設として利用する「民泊」という形でサービスを提供するものが多くなりました。
宿泊施設の料金や場所が確保されつつありますが、一方では、海外からの旅行客はゴミの捨て場を守らなかったり、深夜でも大騒ぎしたりするトラブルが多いのも事実です。注意や呼びかけをしても、ゴミはゴミ箱に捨てるといった教育を受けていなかったり、文化や考え方の違いから理解してもらえず、近隣住民の方からの苦情が後を絶たないようです。
しかし、これまでの日本には宿泊施設に関する法律は旅館業法だけで、法的な枠組みは存在しなかったのです。
旅館業法を適用した場合は、違法になるケースが多く、民泊に関しては時代の流れもあり、グレーゾーンの中で黙認されてきたという状況がありました。
そこで、日本の宿泊施設に対する問題を解決するべく住宅宿泊事業法(民泊新法)が2018年6月に施行されます。
民泊新法、ポイントを3つに絞って簡単にご説明します!
1つ目のポイント 「許可制」→「届け出制」へ
元々許可制であったため、審査内容が非常に厳しく、最初から無許可で営業している民泊が多く存在していました。このままの制度を継続しても取り締まる目処が立たないため、民泊新法では『許可制』ではなく『届け出制』に変更しました。
「届け出制」にすることでこれまで許可が下りなかった物件でも届出さえしてしまえば、
営業できるようになりました。
また、許可制よりも届け出制の方が内容を理解しやすく、基準も見直しされ民泊営業を行いやすくなっています。違法による取締も明確になり民泊事業全体のことが把握しやすくなります。
2つ目のポイント 役割を明確にした
・住宅宿泊事業者(家主)
・住宅宿泊管理業者(家主の代わりに業務を代行するもの)
・住宅宿泊仲介業者(民泊物件を紹介する仲介サイト)
管理する役割、仲介する役割、民泊を貸す役割。大きく分けて3つに役割が分けられました。
それぞれの役割が明確になったことで、例であげたゴミの捨て場を守らなかったり、夜中に騒ぎ続けて近隣の方の迷惑になるようなことがなくなってくるのではないかと思います。
なぜなら家主がその宿泊施設に同宿しない場合は、管理を住宅宿泊管理業者に一任することが義務づけられたからです。
少なくとも宿泊客に泊まる場所を提供して、お金を頂ければ良い。という考え方ではなく、宿泊したお客様への対応や管理にも目を配り、宿泊事業として確立していきたい姿勢が伺えます。
3つ目のポイント 年間180日以内という日数制限が設けられた
え!! 年間の半分しか営業できないの!?
そう思われた方もいるかもしれません。
180日以下では採算が合わない人は、旅館業として180日以上の営業が出来るように許可を取らなくてはいけなくなります。
さらに、場所によっては日数が180日よりさらに短く制限される可能性が・・・。
民泊で事業を行っている方や、民泊投資を行っている方にとっては痛い情報かもしれません。
特に民泊での収益が沢山あった方はこれまでとはやり方を変えないといけなくなるかもしれませんね。
今回は3つのポイントに絞って説明させて頂きましたが、ルールが整ったことで、これまで多かった民泊周辺の方のクレームの減少や、外国人のマナーが良くなることは予想されます。反対にルールが整うことで、これまでとは違った対応をしなければいけない方もいることは事実。
民泊新法施行は2018年6月15日ですので、新しい民泊時代に備えましょう!