地震で被害を受けた際の税制上の措置について
近年、自然災害に悩まされている日本において、被災した場合の税制措置はどうなっているのかご存知の方は少ないと思います。
熊本地震の発生後税制度が見直され、新たに災害に対する税制上の対応が見直されました。そこで地震などの災害によって被害を受けた場合、どのような税制措置があり、受けることが出来るのか?を税金の種類別に見ていきましょう。
・源泉所得税関係
勤労者のうち、財形非課税貯蓄をされており、災害等の事由によって目的外の払い出しを受ける場合、その払い出しにかかる利子等に対する課税がなくなりました。
◎対象の貯蓄・・・財形年金貯蓄、財形住宅貯蓄
【災害の事由】
1、居住する家屋の全壊、流失、半壊、床上浸水などの損害を受けた場合
2、本人や家族のために支払った医療費が年間200万円を超えた場合。
3、配偶者と死別し、寡婦又は寡夫になった場合
4、本人が特別障害者になった場合
5、本人が雇用保険法に規定する特定受給者資格者又は特定理由離職者になった場合
※上記項目に該当することになった場合、証明できるものを準備する必要があります。
・相続税・贈与税関係
住宅取得資金の贈与を受けた際、災害により滅失、災害を基因とするやむを得ない事情により居住できなくなった場合は、適用要件である居住要件免除されたり、期限が延長され、贈与税の特例措置を受けることができます。
◎特例の種類・・・住宅取得等資金の贈与税の特例
・法人税関係
災害のあった日から一年を経過するまでの間に終了する事業年度、または災害のあった日から6ヶ月を経過する日までの間に終了する中間期間において、生じた災害損失金がある場合には法人税額のうち災害損失欠損金額に対応する部分の金額について、還付請求することができることとなりました。
また、還付が行われる場合には、地方法人税の還付金の額に相当する金額として、還付金額の4.4%に相当する金額が併せて還付されることとなった。
※災害損失欠損金額とは、棚卸資産、固定資産又は一定の繰延資産について生じた、滅失等による損失の額、原状回復等のための費用に係る損失の額および被害の拡大又は発生の防止のための費用に係る損失の額の合計をいいます。
・自動車重量税関係
災害により自動車が使用できなくなった場合や、車体が破損してしまい使用できなくなった場合に適応できます。
自動車の永久抹消登録又は滅失・解体の届出の手続きを行い、自動車重量税野還付申請書を提出することにより、自動車重量税の還付を受けることができます。
◎納付した重量税÷車検証の有効期間×残存期間=還付金額
※国税庁HPを参照
など、主に一般の方に関係ありそうな税金をご紹介しましたが、税金は他にも多くの種類があり、さまざまな税制措置が講じられています。
国もできる限りの対策を進めておりますが、受ける方から動かなければ誰も助けてくれません。頼れば助けてくれる環境は整いつつあるので、災害大国である日本に生活していく上では、必要最低限の知識をつけておきましょう。