不動産価格の上昇について
近年、東京オリンピックやインバウンド効果により、日本の特に首都圏の不動産価格が上昇し続けてきました。しかし、昨年あたりから価格上昇は止まりつつありますが、実際に数年前と比べてどの程度の変動があったのでしょうか。
そもそも、不動産価格は以前も本コラムで紹介した通り、市場で求められている価格が適正価格と言われています。しかし、不動産には土地部分と建物部分があります。建物部分に関しては建築コストを加味して決定され、年月が経つにつれ劣化し価格が減少していきますが、土地については経年劣化することはありません。つまり古くなったからと言って土地価格が下がるわけではありません。では、土地価格は何を参考にしているのか!?
■土地価格には取引の指標とすべき地価が定められている!
利用目的によって使い分けるため、3種類が定められています。
・基準価格(国土利用計画法に基づき各都道府県が毎年7月に調査)
国土交通省が毎年9月に公表するその年の7月1日時点における全国の基準値の土地価格を公示する指標で、一般の土地取引だけでなく、地方公共団体は民間企業の土地取引の目安として活用される価格。
・公示価格(国土交通省が毎年1月に調査)
不動産取引の指標として作成されている価格。基準価格とは大きく変わりない。
・路線価(国税庁が毎年1月1日時点の価格を7月に発表している)
相続税・贈与税、固定資産税路線価があり、公示価格の7割~8割程度の価格となっている。
路線価を除く、基準価格、公示価格は自由な取引において通常成立すると考えられる1㎡あたりの価格として利用されるものですが、土地の特性や取引する人の事情によって左右される為、必ずしもその価格で取引されるわけではありません。あくまでも目安として知っておくと不当に高額な物件の取引などは事前に避けられるでしょう。
インターネットに情報は公開されているので、不動産購入をお考えの方は目を通しておいた方が良いでしょう。
■土地価格の変動幅をみてみましょう。
全国で一番高い土地「東京都中央区銀座4丁目2番4」
商業地 地価 5,550万円/㎡ 約1億8347万円/坪
となっています。
最終データがある2002年の約3倍に跳ね上がっています。
リーマンショック後は低下しましたが、2014年からはそれを上回る勢いで上昇し続けています。
各都道府県平均で見てみると
1位 東京都 坪単価314万円
2位 大阪府 坪単価103万円
3位 神奈川県 坪単価87万円
4位 京都府 坪単価65万円
5位 愛知県 坪単価64万円
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という結果になっています。
詳細は、下記URLからご覧ください。
一番気になる上昇率を見ていると、インバウント効果なのか、観光産業が盛んなエリアがランクインしていました。
京都東山、沖縄県豊見城、大阪道頓堀など前年比の30%弱の上昇率となっており、
道頓堀では、平成27年の公示価格667万円からわずか3年で1,685万円まで跳ね上がっています。
観光に人気のエリアの土地価格が上昇しているのが分かります。
つまり、不動産価格は景気を左右するということです。価格が上昇しなければ個人消費の拡大は望めません。これまで日本経済のGDPの伸びに対して、消費が少ないという特徴がみられましたが、不動産価格が低迷していれば、消費が伸びないのは当然の結果かもしれません。
もし、地価の上昇が今後も継続しつづければ個人消費の拡大につながる可能性は高く、更なる経済成長が見込めるのかもしれません。