日本で考えられる天災「地震」について
6月18日午前7時58分、大阪北部を震源として規模がマグニチュード6.1、震源の深さは13㎞の地震が発生しました。最大震度は6弱で大阪市北区、高槻市、枚方市、茨木市、箕面市の5市区で観測され5人の死者が出ました。現在、一部の地域でガスが普及せず、多くの被災者の方が自宅のお風呂を使えない状況が続いています。なんと、この地震で観測した震度6弱という地震の強さは、気象庁が1923年に観測を開始して以来、初めてだったそうです。今回起こった地震もそうですが、日本は地震が多い国で有名です。実は、全世界で起きたマグニチュード6以上の地震の内、20%が日本で起こっているのです。近年の大きな地震では『阪神淡路大震災』や『東日本大震災』が思い浮かぶ方も多いと思います。
地震には一体どのようなリスクがあるのでしょうか?
不動産に当てはめて見ていきましょう。
不動産におけるリスクの1つ『天災』
先程もふれましたが、日本は世界的に見ても地震が多い国ですが、実際に地震が起こるとどのようなリスクが出てくるのでしょうか?
室内の壁面の損傷
家具の破損
設備機器の転倒や移動
電気や水道、交通網などのインフラの途絶
等が大きなリスクです。
建物に被害が出る事は当然のことですが、地震が起こると2次被害も発生します。
地震による2次被害は
火災
津波
地割れ
液状化現象
など、地震の恐ろしいところは揺れだけではありません。
場合によっては、地震の規模を上回る被害が発生することもあるのが2次被害です。
この被害に不動産が絡むと更に厄介になります。
最近多い区分所有のマンションだと被害が発生した後に、低層の建物に比べて揺れが長く大きくなる可能性があることや、地震の被害が発生した後に共有部分の管理・変更について、個人で意思決定が出来ず管理組合での議決が必要となります。管理組合の合意がないと、事前対策や復旧・復興の取り組みが円滑に進まないことがあるようで、東日本大震災の時には、マンションの破損箇所によって被害に差がある場合、限られた予算の中でどこを優先的に修繕するかは管理組合の中で大きな問題になったそうです。
地震の被害対策
区分所有のマンションについては、所有者が沢山いるため破損が複数だった場合の優先付けや、利用者が一部に限られるような施設の負担方法は、被害の発生前からどういった被害が起こりうるのかを想定し、費用負担方法等の基本方針について区分所有者間で合意しておくことや、予め議論などを進めておくことが必要だと思います。
誰かに頼ることなく、予め住民や管理組合が意見を持ちより対策しておくことが大切なのではないでしょうか?
最後に
現在販売されている分譲マンションは、新耐震基準により建てられており、規模の大きかった東日本大震災でもほとんどが軽微な損傷及び損傷なしという状況でした。鉄筋コンクリート造のマンション倒壊は0棟で、津波による木造住宅の被害が大半を占めていました。
大規模な地震が起こるたびに少しづつ耐震基準の見直しがなされ、地震に対する建物の被害は大きく減少しております。
全くのリスクなしという事はないですが、地震による建物倒壊のリスクよりも、津波等による2次災害が起きにくいエリアを選定する方が良いかもしれませんね。