住宅ローン減税の延長!?
以前、本コラムにて消費税増税前の住宅購入についてお得なのかをご紹介させていただきましたが、住宅購入検討者の皆様、朗報です!
消費税10%への引き上げ対策として、減税制度が拡充されることが決定しました。
内容についてご紹介していきたいと思います。
・拡充内容
これまで控除期間が10年でしたが、13年に拡充されることとなりました。
・減税期間
10年→13年(3年間延長)
・控除額
10年目まではこれまでと同じ年末借入金残高の1%(上限4,000万円)
11年目以降は、
①年末借入金残高1%(上限4,000万円)
もしくは
②建物購入価格(上限4,000万円)×2%÷3年間
※①or②のいずれか小さい額
・条件
2019年10月1日から2020年12月31日までに居住を開始した場合
住宅を新築または新築住宅を取得した場合
また、長期優良住宅の認定を受けている住宅は上限額5,000万円となります。
中古物件に関してはこれまで同様の10年間となっています。
■いつ買うのが得になる?
では、消費税増税前が増税後どちらで購入した方が得になるのか見ていきましょう。
注目するポイントは、
1、期間が延びた分の控除額
2、消費税増税分の差額
3、借入金額増加による利息分
に注目して見ていきましょう。
例)土地2,000万 建物3,000万 借入金5,000万+税
1、期間が延びた分の控除額
1年目~10年目 年間40万円 計400万円
11年目~13年目 年間20万円 計60万円
消費税増税前 400万円
消費税増税後 460万円 増税後の方が60万円お得
2、消費税増税分の差額
消費税8%=240万円 増税前の方が60万円お得
消費税10%=300万円
3、借入増加による利息分
借入総額を35年ローン1%で利用した場合の総支払額
増税前 借入総額5,240万円 ⇒ 62,125,560円 総支払額は711,060円お得
増税後 借入総額5,300万円 ⇒ 62,836,620円
総合的に見て判断すると、消費税増税後に購入すると購入時に60万円多く支払い、13年後に多く支払った60万円が手元に戻ってくるということになります。数字上で見ると同額なため、いつ購入しても同じように見えますが、その他の要素である3を見れば購入時に多く借入をしているため、総支払額もその分多くなってしまいます。つまり、経済的に見れば消費税増税前に購入することが良いといえます。
■住宅ローン減税は、新築、中古住宅購入以外にも適応される!?
既にお住まいの住居の増改築やリフォームにも適応されるのです。
あらためて適応要件を見直してみましょう。
1、住宅ローンの適応要件
・自ら所有し、居住する住宅であること
・住宅の引渡し又は工事完了から6ヶ月以内に居住の用に供すること
・床面積が50㎡以上であること
・床面積の1/2以上が居住用であること
・借入金の償還期間が10年以上であること
・年収が3,000万円以下であること
2、増改築・リフォームの適応要件 (1の条件を満たした上で)
・増築、改築、建築基準法に規定する大規模な修繕又は大規模の模様替えの工事
・マンションなどの区分所有建物のうち、その人が区分所有する部分の床、階段又は壁の過半について行う一定の修繕・模様替えの工事
・家屋の居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関又は廊下の一室の床又は壁の全部について行う修繕・模様替えの工事
・現行の耐震基準に適合させるための耐震改修工事
・一定のバリアフリー改修工事
・一定の省エネ改修工事
・補助金等の額を除いた改修工事費用が100万円超であること
・居住部分の工事費が全体の費用の2分の1以上であること
3、中古住宅の場合 (1の条件を満たした上で)
・木造…築後20年以内、マンション等…築後25年以内
・一定の耐震基準を満たすことが証明されるもの
・既存住宅売買瑕疵保険に加入していること
適応要件1を満たした上での2、3の要件となる事をご注意ください。
今回は消費税増税による住宅購入の買い控えを防ぐ措置として決定した政策となりますが、住宅以外にも様々な税制措置が検討または決定されています。
消費税が上がるという事だけに目を向けるのではなく、広い視野を持つことにより得られるメリットもあります。まずは何事も情報を知ることを優先し、知らずのうちに損をしてしまわないようにしていきましょう!