40代50代の世代は注目 親の不動産を相続する可能性はないですか?
~はじめに~
現在40~50代の方々が、密かに抱えている事案として『相続』があります。
日本の相続は税務的にも法令的にも複雑で、かつ『親の死』という望まないものからくる事柄であるがゆえに考えたり、備えたりという事が疎かになりがちです。
さらに『不動産』などが相続される場合は注意が必要で、事前に知っておかなくてはならない事などもあります。今回はその辺りをお伝え出来ればと思います。
そもそも相続とは
相続とは亡くなった方(被相続人)の遺産(権利・義務)を引き継ぐことをいいます。
対象になられる方が亡くなられたタイミングで相続は、開始されるのです。
次に相続の対象となる財産についてですが、権利だけではなく義務も引き継ぐことになります。具体的には
・現金や不動産の資産、所有権、債券など、プラスの財産
・借金や債務などのマイナスの財産
など故人名義の財産は全て相続の対象になり、これは欲しいけどこれはいらないから対象から外すといった都合の良い事は出来ません。
財産で負債などマイナスが多い場合は、それら全てを相続しない『相続放棄』という手続きでマイナスの相続から解放される事はできますので、まずは相続財産が負債の方が多いのか、そうでないのかをきっちと把握することが重要です。
ポピュラーな考え方としては、
プラスの財産 > マイナスの財産 → 単純承認
プラスの財産 < マイナスの財産 → 相続放棄
になりますね。
しかし、現実には相続財産がプラスなのかマイナスなのかが、わからないケースがあります。遠方に居住していたり、縁が遠かったり、また急遽のことで身近な方でも何も聞かされていないなどのケースです。
そういった場合に『限定承認』という方法があります。
『限定承認』は、相続財産の全容がわからないが、マイナスの相続になる事だけは避けたい場合ときに役立つ保護的な対処法です。
限定承認は何点かのルールを守れば採用できる方法です。
相続財産の金額を超えた負債がのちにわかった場合は返済しなくてすみますし、もし後から追加で財産が発見されてプラスの財産が多くなった場合も取得できるので相続財産が不明確な場合は検討する価値があるのではないでしょうか?
とはいえ、限定承認は手続きが複雑で相続人全員の承認が必要など難点な部分もあります。ぜひ専門家に相談される事をオススメします。
以上、『単純承認』『限定承認』『相続放棄』の3つの相続方法を解説しました。大切なのは、故人と生前によくお話をすることではありますが、あなたが相続人になった場合には故人のことを思いどれが一番適切かを見極めることが重要です。
不動産相続での注意点
預貯金などの資産は相続人間で公平に分けることができますが、家や土地などの不動産は金額面で大きく、売却しない限り均等に分けることができないため非常に難しいといわれています。
『先祖代々の土地を手放したくない』、『思い入れのある不動産を引き継ぎたい』といった場合は相続する方々で話し合う必要が必ず出てきます。
例えば兄弟の遺産相続で揉めやすいのは土地と家です。なぜなら、これらは分割しづらいからです。
例)母→家 兄→土地A 弟→土地B
と分けられればいいですが、弟の土地Bの立地が悪く、売却しても価値がない場合は兄の土地と取り合いになり揉めるケースがあります。
そのため不動産相続については、家や土地の価値を知るためにも専門家を交え検討を重ねることが大切です。
相続手続きで大切な事は、、、
相続は、身内の方を亡くされた悲しみの中で、相続人の確認や書類の用意など慣れない相続手続きを行わなければならず、大変な労力かと思われます。
必要な書類や手続きの期限について知り、相続人の方々で備えることができると後々の負担は軽くなるかもしれませんが、なにより事前に準備しているかしていないかで、スムーズさは大きく異なる結果になります。
相続する側にとっても意志をはっきり伝えることができますし、相続される側にとっても不動産などが絡み揉めることもなくなりますから、是非未来の殊に目を向け『話し合う』ことを一番大切なことと捉えて見ていただきたいです。