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コラム

増え続けるオフィスビル 大量供給による変化と見通し

皆様、突然ですが、今年は3年ぶりとなるオフィスが大量供給されている年だったことはご存知でしょうか。近年、快適なオフィス環境や最新技術を採り入れた高機能なオフィスビルの大量供給が3大都市圏を中心に行われており、オフィスマーケットの成長が期待されています。大阪でも2024年以降に新規オフィスビルの大量供給が予定されており、2019年~2023年までの新規供給量を超える規模になります。いま、注目が集まる大阪のオフィスマーケットについて詳しく取り上げていきます。

 

★大阪のオフィスマーケット動向

大阪府は日本の上場企業の11%が本社を置いており、その中心が大阪市になっています。

大阪市は多くの路線が通る大阪駅や梅田駅を中心にして、北は新幹線の発着のある新大阪駅、南は大阪市役所のある淀屋橋駅・ビジネス街の本町駅・ミナミと呼ばれている難波駅や心斎橋駅、そして東は官庁街の天満橋駅や大阪城エリアと、南北はおよそ8km、東西が最大でおよそ3kmに及ぶ帯状のオフィス街を形成しています。さらに、2024年には9万坪、2025年には3.8万坪のオフィスビルが新規供給予定となっています。その中でも中心となるエリアは梅田駅(大阪駅)がある「キタエリア」で、主要オフィス地区の貸室面積のおよそ4割が集まっています。ここでは「キタエリア」に おいて予定されているオフィスビルの概要と、大量の新規供給がオフィスマーケットに与える影響についてお伝えします。

 

★新規大量供給による空室率と賃料の変化

 

 

(三鬼商事「オフィスマーケット」参考)

 

グラフをみていくと、2022年には「新大阪地区」において供給された約3.5万坪の新規オフィスビルの影響で貸室面積の増加が見られました。新規供給により一時的に空室率は上昇しますが、その直後に貸室面積が減少していることがわかります。

このことは老朽化したビルなどが市場から撤退したことによるものと想像されます。新規供給が増大すると既存ビルが減少する「新陳代謝」が生じるものと考えられ、2024年の大量供給においても同様の傾向が生まれる可能性が高いといえます。

 

賃料の変化としては、空室率の上昇は賃料減少につながると考えられています。2020年6月に新型コロナによる影響がオフィス需要の減少として現れ、空室率が明らかに上昇しました。それは賃料下落の原因になると考えられますが、新規供給ビルによるものの場合は、募集賃料水準が高いため、必ずしもそうとは言えません。

 

★今後の見通し

今後の大阪のオフィスマーケットはどのような状況になるのでしょうか。

現代のオフィスニーズを的確に取り込んだ高機能ビルに対する関心や期待は強いものがあります。2024年の新規供給は大規模になるため、多少時間はかかるとしても入居は進むとみられています。しかし新規供給オフィスビルへの移転が多くなると既存ビルの二次空室が問題となってくるでしょう。空室率の上昇は既存ビルに大きな影響を与え、賃料の相場が低くなることが考えられます。

 

新規供給オフィスビルと既存ビルの大きな違いは、働き方の変化に伴い要求される多様なワーキングスペースや、ビジネスパーソンの生産性向上につながる「働きやすいオフィス」です。たとえば大きな公園を眺められるラウンジや、リフレッシュスペースとして期待できるテラスやカフェコーナーなどが設置され、これまでにないワーキングスペースを体感できることが重要なポイントになっています。このような新しいニーズに対応できない既存ビルは、今後撤退や再生を検討する局面も予想され、オフィスビルそのものの新陳代謝が進むと予測されます。大阪における新規オフィスビルの大量供給はマーケットに変化を生み出し、新しい大阪の街づくりを促すことでしょう。

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