期間45年のローンが登場!!
先日のコラムでも取り上げた、かぼちゃの馬車問題ですが、現在では組織ぐるみの不正融資だったのか、銀行に法的責任がないのか、社内の監視がおよばなかったのはなぜなのか、といったことが問題の焦点となっているようで、まだまだ事件の解決には遠いようです。
こういった事件の背景から、シェアハウスだけではなく、地方物件や郊外の物件への融資が厳しくなってきていますが、その一方で都心の区分マンションについては融資に積極的な金融機関が多いです。都心の区分であれば金利が1%台で借入が可能だったり、フルローンでの購入も難しくはありません。
そんな中、返済期間が以前よりも10年間長い、45年間のローンが登場するという情報が耳に入ってきました。
そこで、このローンにすると、どんなメリットやデメリットがでてくるのか個人的な意見ではございますが、見解を述べたいと思います。
Ⅰ、毎月のキャッシュフローが出やすくなる
これまで期間が35年間だったのが45年間になることで、その分毎月の金融機関への返済額は少なくなります。
2000万円を金利2%で35年間での借入の場合と45年間での借入の場合を単純に比較してみましょう。
35年ローンの場合・・・66,252円/円
45年ローンの場合・・・56,199円/円
45年ローンの場合だと月々10,000円ほど支払いが少ないため、キャッシュフローが出やすいことが分かります。
Ⅱ、総支払い額は増える
月々のキャッシュフローは出やすくなりますが、その傍ら総返済額は増えてしまいます。
先程と同じ条件で比べてみましょう。
35年ローンの場合・・・27,825,840円
45年ローンの場合・・・30,347,460円
差額は2,521,620円です。
月々のキャッシュが出やすくなる反面、約2,500,000円支払いは多くなることが分かります。
45年ローンを組んだ方が良い!?
45年ローンを組むメリットとしては、月々のキャッシュフローが出やすくなるため、35年ローンに比べれば月々の収支がプラスに転じやすいという点でしょう。プラスに転じた分を他の投資に回したり、45年でローンは組んだものの、資金に余裕があれば繰上返済をしたりなどして、金利が増えてしまった分を上手にカバーすることが重要になってくるのではないでしょうか?
ですが、視点を変えれば銀行側がお金を貸したがっている。と捉えることもできるでしょう。
銀行側からの視点で考えれば、ローンの期間を延ばせば銀行側の利益は高くなりますし、返済する側の月々の返済額も少なくなり、お金を借りてくれる人が増えやすくなるため、銀行側から見れば非常に都合が良い話なわけです。
低金利で不動産の投資バブルと囁かれていますが、銀行側からすれば低金利はあまり都合がよろしくないようですね。冒頭でも少し触れましたが「かぼちゃの馬車」で調査中の不正融資の問題も、こういった時代の背景から問題が生まれたのかも知れませんね。
このように違った視点から見れば、時代の背景が感じ取れたり、それをきっかけにローンを組む際にじっくりと考えるきっかけになるかも知れません。
どのような商品にも、良い所があれば悪いところがあります。35年間のローンと45年間のローンの長所と短所を理解し、それらを加味した上でどちらのローンを選ぶのか。そして自分に合った選択をすることが大事ではないのでしょうか。